2015年3月8日日曜日

釣りブームとは何か

市場的に見ると、だいたい94年から98年にかけて訪れたとされる釣りブームは「ルアーブーム」、「バスブーム」とも言われ、ブラックバスという淡水魚種をルアーで釣る釣りが流行したことが発端であり、主軸となっている。

そして一時期はテレビ東京だけで釣り番組が6番組も編成されたほどになり、マスコミの活躍によってその他釣魚種においても盛り上がりを見せた。
しかし、あくまでブームの主役はルアー釣り、その中でも特にブラックバス釣りであるため、他釣種への参加人口においてはそれほどの影響はでていない。

それを釣り竿と餌の出荷数量という視点から表すのが下図である。ルアーロッドと疑似餌(ルアー)の値が特異に変動している。
また、98年時点でのルアーロッド全体の国内出荷数に占めるバスロッドの割合は77.5%であった(図10)。
このことから大きな参加人口の変動が起こったのは、ブラックバス釣りを主とした動きであったことが見て取れる。





余暇環境、釣り場環境が整備されてきたことに加え、多くの有名タレント(反町隆・木村拓也・奥田民生など)がブラックバス釣りを好きでしていることがメディアで流れたことがキッカケとなった。また、ブラックバス釣りは他の釣りと比べて安く始めることができるということもあり、ルアーフィッシングを中心に新規釣り参加者が急増した。
一時はフィッシングショーにおいて講演するタレント(反町隆)を目当てに若い女性が殺到するなどの騒ぎにまでなっている。

特にブラックバス釣りは他の釣りとは異なる特徴を多々もっている。
主にルアーを使って釣るため、生餌に触らないという点や、高いゲーム性をもっていること、ファッション性のあることなどから若者をはじめ多くの人に受け入れられ、ここ数年では内水面において最も人気の高い釣りとして親しまれるようになった。

しかし、ルアー釣り、ブラックバス釣りはなにもこのときをキッカケに流行ったというわけではない。1970年代には第一次ルアーフィッシングブームが起こり、その後ブラックバスの生息地増加と比例して長期的に人気を得てきていた。

85年にはブラックバス釣りのプロトーナメントが始まり、第二次ルアーフィッシングブームと言われるルアー釣り参加者の増加が始まっている。
それが、上記理由により95年ごろから一気に肥大化する。そして芸能界や放送・出版などのマスコミ、ゲーム業界を巻き込んだ一大社会現象になる。

市場としてももちろんだが、社会的にも加熱したものが、今回のブームであった。

98年を境に釣りブームは終焉を迎え、現在の釣用品市場は低迷している状況にある。
このルアーブーム、バスブームと言われる現象が釣業界、社会に残したものは大きいと考える。

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